ご挨拶

ソーシャルワーク専門職である社会福祉士を目指して

 2022年6月に開催された社員総会において,一般社団法人島根県社会福祉士会の会長を拝命した田中涼と申します。

 私のソーシャルワーク実践は在宅介護支援センター/地域包括支援センターといった高齢者福祉分野であり,その多くを社会福祉専門職採用による地方公務員として行ってきました。現在は,大学教員としてソーシャルワーク専門職である社会福祉士の養成に携わっております。ソーシャルワーカーとしてのキャリアを歩み始めて2年目にスーパービジョンを受ける機会に恵まれた私は,たちまちスーパービジョンに魅力を感じ,スーパービジョンの研究を行うために大学院に進学しました。振り返ってみると,その頃から私の関心は一貫して「ソーシャルワーカーの専門性とは何か?」にあるように思います。

 皆さんは,「社会福祉士とソーシャルワーカーは同じなのか,違うのか」という問いにどのように答えるでしょうか。私の意見は「違う」という立場ですが,この問いに答えていくためには1988年に施行された社会福祉士及び介護福祉士法と2014年にオーストラリア・メルボルンで採択されたソーシャルワークのグローバル定義を比較しながら,ソーシャルワーク専門職のあるべき姿を見出す必要があります。ここではこれ以上の言及はしませんが,社会福祉士がソーシャルワーク専門職になるためにはこのようなソーシャルワークの基盤について対話を重ねることが不可欠だと考え,学生への教育に向き合っています。

 さて,この対話は現任の社会福祉士とも重ねていく必要があります。そのための場としては, 2025(令和7)年7月5日(土)~6日(日)に開催する「第33回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会島根大会」という最高の舞台があります。第32回栃木大会から受けたこのバトンを,島根サイズで島根らしい大会として成功させ,第34回青森大会に繋ぐことが大会長としての私の役割になります。

 本会は,会員数約420名の小さな職能団体です。しかし,会員一人ひとりが魅力的なソーシャルワークを実践しており,団結力もあります。歴代の会長をはじめとする諸先輩方が築き,紡いできた本会が,社会的要請に応えられる職能団体であり続けることができるようにさらに発展させていくのが私の役割であると認識しています。

 全会員のより一層の繋がりを持って,大きな一歩を歩んでいきましょう。

2024(令和6)年12月1日
一般社団法人 島根県社会福祉士会
会長 田中 涼

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